第51回 日本盲人会連合関東ブロック協議会「埼玉県大会」 大会宣言

2017年2月27日 埼視協News

大会宣言

「9里よりうまい13里」といわれた川越のサツマイモや狭山のお茶、深谷のねぎなど、おいしい食べ物があると共に、1300年の歴史を持つ小川町の和紙、更にはユネスコの世界無形文化遺産にも登録されている秩父の夜祭など文化遺産も残されているここ埼玉県において、関東ブロックに所属する視覚障害者団体が一堂に会し、真剣に論議し交流を深め、より強固な絆で結び合えたことを共に喜び合いたいと思います。
 本大会を開催するにあたり、数々の苦難や問題がありましたが、ご協力を頂いた行政関係の皆様をはじめ関東ブロックの各団体の皆様に心より御礼申し上げます。
 さて、平成28年4月1日に施行されました障害者差別解消法は、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け、障害を理由とする差別の解消を推進することを目的として、だれもが安心して暮らせる豊かな社会になることを目的に施行されました。
 本会もこの差別解消法の施行と時を同じくして4月1日より同行援護事業所「彩」を開設し、視覚障害者が安心して外出し、社会参加できるよう環境整備を行いました。
 視覚障害者の社会参加の基本である、外出先での代筆・代読を支えるガイドヘルパーの養成にも力を入れております。
 私たちを取り巻く問題は山積しており、就労においては視覚障害者の雇用率は低い状況にあるのが現状です。
 視覚障害者の適職である鍼灸マッサージ業を脅かす、無免許者・無資格者の違法類似行為者も未だ増え続けています。
 さらに視覚障害者に大変大きな問題である、あはき法第19条に関しての平成医療学園グループの訴訟です。
 私たちはあはき法第19条を守るための闘いと位置づけ、どうしても阻止して行かなければなりません。
 安全な移動を求める私たちにとって、鉄道駅ホームの安全対策はまだまだと言え、国土交通省も可動策設置に向けた予算の積み増しや、各種の対策も採られるようになってきましたが十分とは言えないのが実情です。
 私たちが普段使用している、補装具、日常生活用具も当事者として必要な物品が支給されないなど、生活面における困難さは地域生活支援事業になったため更なる市町村格差が生まれています。
 埼玉県では、江戸時代の国学者として、群書類従をまとめた塙保己一を忘れることは出来ません。
 ヘレンケラー女史は塙保己一を知って生きる力となったと晩年語っています。
 そして、保己一は「障害を理由にせず努力を積み重ねること」が大切だとしていました。
 この言葉は100年以上たった今でも私たちが持たなければならない金言として受け止めていかなければならないと考えています。
 私たちが求めている社会は、将来に希望を持ち、生きがいのある生活ができることを目指しています。
 本大会を契機に、関東ブロックの各団体が力を合わせ、視覚障害者にとって住みやすい社会の実現のため、より一層前進することをここに宣言します。
平成29年2月27日
第51回日本盲人会連合関東ブロック協議会埼玉県大会