埼視協通信 No.47(2020年3月発行)

2020年3月10日 埼視協会報

■会長の想い  田口 茂

 「弥生3月。春の陽光のもと何となく浮足立って外に出かけたくなる季節です。」と書き出したいところです。
 ところが「新型コロナウイルス」の拡がりと予防のためイベントや会合が軒並み中止となっています。当会事業の防災ワークショップも残念ながら中止としました。
 マスクを着けようにもマスクが品薄状態。病院からマスクを盗み出す輩も出るありさまです。何気なく咳をしてもハバカラレル雰囲気で気持ちが沈みがちになってしまいます。皆さんはいかがですか。
 先月、熊谷市で開かれた「やまゆり学園殺傷事件」を取材したDVD映写会に参加してきました。
 被告と何度も接見、関係者への取材をもとに製作されたものです。被告の人間性、犯行の背景、被害者名を匿名とした背景など真相を探ろうとする作品だと思います。
 障害者の親と兄弟姉妹では関係性に相違があることを知り、犯行後、犯人をヒーロー扱いするようなネットの書き込みが多数あったことに衝撃を受けました。障害者への「偏見」は根深く社会に存在することを再認識させられた思いです。
 「盲目は不自由なれど、不幸にあらず」の名言が思い出されました。機会があれば是非ご覧になり事件の底流にあるものを考えていただきたいと思います。
 新年度となり6月7日の定時総会、芸能大会を皮切りに令和2年度事業がスタートします。皆さまには各事業へのご参加、ご協力をお願いいたします。ただコロナウイルス感染の状況により変更もあり得ることをお含みおきください。
皆さま、どうぞご自愛いただき感染予防に十分ご留意ください。一日も早い終息を祈るばかりです。

■1月の「でるでるくらぶ」に参加して  熊谷支部 中谷 美智明

 日頃は、協会の主催する各種イベントに参加させていただきありがとうございます。おかげさまを持ちまして、沢山の方々に出会うことができ充実した日々を過ごすことができていることに対しまして関係各位に感謝致します。
 今回、私は、イベントの1つ「でるでるくらぶ」について紹介をします。くらぶは、春夏秋冬1年を通して毎月3週目の日曜日に開催し、視覚に障害のある方ならだれでも気軽に参加できます。
 ぜひ、皆さんも参加してみてはどうでしょうか?
 2020年のくらぶのスタートは、さらなる発展と、参加者の安全とご多幸を祈願すべく熊谷市の高城神社に行きました。1月19日(日)の熊谷市の天候は雲1つ無い早春を肌で感じる穏やかな、安全祈願にはとても良い日でした。
 当日の参加者は、総勢17名が11時30分熊谷駅北口に集合し世話役の熊谷理事とボランティア参加の大谷さんと山中さんの安全・安心な誘導の元無事に目的地に到着し、全員が思い思いに参拝することができました。
 祈願を終えた一行は、熊谷市障害者福祉会館に場所を移し、祈願に対する直会と懇親会を行いました。懇親会は、行田市の橋本さんの乾杯の音頭で始まり、会が深まるにつれどこからとなくカラオケが始まり皆さん得意な歌を披露しカラオケの最後はなんと、最高齢の島田さんでした。
 最後に北本市の植野さんの締めの言葉でなごり惜しみながら次回会えることを確認し終了しました。

■エンジョイ十周年これからも  深谷支部 黒木 義雄

 令和二年の春になると、両目が見えなくなって十年が過ぎる。病気や、交通事故などにもあったが、目だけは健康そのものだった。三十歳をすぎるまでメガネをかける事も無かったそんな私が両目が見えなくなるなんて全く予想もしていなかった。見えなくなっての四年間は悩み、苦しみ、将来を悲嘆した時期だった。手術後の経過も良くなく、体調不良で病院通いが続いた。
 そんな中、私の心の大きな支えになったのは、ストレスに関する学習会の講師依頼であった。こんな私でも講師を依頼してくれる人がいる、人の役に立っている、その事がエネルギーとなった。また、長い間ストレスについて学んで来たおかげで、「見えない」というストレスを軽減する事が出来たのが幸いだった。その時に創った短歌に「見えずとも 人に役立つ 事したい それが私の 生きがい光」このような四年間が過ぎ、平成二十六年頃から、このままではいけない、何とか変わらなければと思う気持ちも生まれ、友人達からも、「これからもまだまだ長い人生、このままでいいの?」そんな励ましの声も聞かれるようになった。県内にある複数の自立訓練施設を見学に行ったけれど、なかなか一歩を踏み出せずにいたが、その年の八月に、近いからと言う事で熊谷の施設に体験入所し、その年の九月からは三泊四日の日程で二年半、その後の一年二ヶ月は家から通ったのだ。施設では日常生活に必要な訓練が行われ、①白杖を使った歩行訓練②点字③お金の区別④携帯電話の操作法⑤音声パソコンの操作法等多くの訓練を学ぶ事が出来たし、それにも増して多くの視覚障害の人と出会う事が出来たのである。
 失明した最初の頃は自分の事しか考えられなかったけれど、私以上に悩み苦しんでいた人もいたし、何種類もの目薬をつけたり、色々な種類の薬を服用している人もいたのです。カロリー制限も無く、低血糖で倒れる心配もない私はまだまだ恵まれていると思えたのです。
 三年八ヶ月にわたった施設での生活も終わり現在は自宅で多くの時間を過ごしているが、色々な事があった十年間であった。今現在は日常生活をエンジョイしている事には間違いない。CDかネットで読書をし、詩や短歌を創り、歌を唄い、散歩をし、多くの仲間と楽しい時を過ごしている。もし目が見えていたら、こんな満ち足りた生活を送っていただろうか?
 これからの人生も今まで以上にエンジョイしていきたいと思うこの頃である。最後に最近創った短歌を紹介します。
「少しだけ 一秒だけでも 見たいもの それは息子の 嫁と初孫」

■2月8日歩行訓練講座  石川 晶夫

 フリーランスの歩行訓練士の清水美知子先生に3時間の講座をお願いしました。総勢で70名以上の視覚障害当事者とガイドさんに受講いただきました。
 海外での視覚障害者の歩行訓練・生活訓練の内容や目的などのお話しではじまり、単独歩行についての注意事項、受講生の質問を受けながらの講座でした。
 白杖についての指導、同行援護ガイドさんの心構えや、安全に外出同行できる基本的な話をしていただきました。
 同行援護サービスについて、視覚障害者の外出を援助する画期的な事業だということも、細かく説明いただけました。
 もちろん、歩行訓練士のエキスパートの清水先生には、埼玉県視覚障害者福祉協会が、長年事業として、県内在住の視覚障害者が安全に単独歩行できるよう、清水先生に目的に応じた指導をお願いしております。
 今後も個人に合わせた指導を依頼しておりますので、歩行訓練事業をご利用いただき、安全な外出をしていただければと思います。
 画期的な同行援護サービスも利用しながら、視覚に問題があっても引きこもりなどせず、外出を楽しんでいただきたいと願います。

■短歌5首  熊谷 昭夫

・ 月蒼く仕事帰りに沈丁花巷の噂かき消す香り
・ 世界中広まるコロナ怖さ増し町中あるく人ぞさみしき
・ イベントは町から消えてなにしよかあすの目的見えない怖さ
・ 風よめず彷徨う世情ハナまでも明日は咲こうか其れともまとか
・総理どの休校要請無理なこと親も休職退職絡む

■「でるでるくらぶ」ジョギングウォーキング  熊谷 昭夫

 このクラブは家から出て外の空気を感じながら、ウォーキングをすることが、目的です。第3日曜日に行ってます。場所は、その都度変わります。前の月に目的地をきめさせていただきMLへお知らせさせていただきますが、ML会員以外の埼視協会員様へお伝えいただけますようお願いします。
 また、埼視協会員以外の方もお誘いいただき参加お願いいたします
 お問い合わせは熊谷昭夫まで
携帯電話 090-4820-2754

■日常生活用具勉強会  石川 晶夫

毎月第3火曜日の10時~15時まで会員様と県内在住の視覚障害者の皆様と交流が持てる場として開催している事業です。
会員様、もちろん会員以外の皆様も10時~15時までの間に埼視協事務所2階会議室へ、ご自由に訪ねてみてください。
ご意見や、ご要望がありましたら是非お聞かせください。
 本事業は通年の継続事業ですので第3火曜日に事務所へご訪問ください。
変更等ありましたらMLや埼視協通信でお知らせさせていただきます。
☆事業名称の変更と愛称の募集
「日常生活用具勉強会」の事業名を来年度より「視覚障害者ナビゲート事業」と変更します。
 内容は従来のようにパソコン、ぶれいるメモ、スマホなどの使い方相談や情報交換の場としての活動を継続していきます。そして、今後は日常生活の困りごとや中途失明者の悩み、不安を皆さんの体験と情報をもとに解決へと案内していければとの思いで名称を変更しました。皆さんの体験や情報が原動力となります。多くの方のご参加をお待ちしています。
 そこで皆さんが参加しやすく、親しまれる愛称を募集します。ジョギングウォーキング講習会が事業名ですが愛称は「でるでるクラブ」と呼んでいます。
 このような事業にふさわしい愛称を命名してください。採用された方には会長が粗品を進呈するそうです。(複数の場合は抽選です。ケチな会長!)
 電話またはメールで石川まで応募してください。応募者名は石川だけが管理します。
石川連絡先
電話:090-3090-5181
メールアドレス:akio-c@agate.plala.or.jp

■メーリングリストをご活用ください  石川 晶夫

ML・埼視協通信は会員様だけの情報手段です。
MLを利用していただき、有意義な情報を投稿して頂ければと 考えております。積極的に投稿をお願いいたします。
メーリングリスト参加希望の方は、akio-c@agate.plala.or.jp
まで、アドレスをお知らせ下さい。
☆ML会員様へメールが届いてない方が居られると思われます。
お気づきの方は石川までご連絡ください。
 また、ML会員様以外の方にも配信内容をお伝えいただけましたら幸いです。
ML投稿アドレスはsaishikyo-ml@saishikyo.comです。

■お願い

1.埼視協通信を墨字・メール・デイジー等に変更される方は、埼視協事務所までご連絡ください。
またメールをご希望の方は、メールアドレスをご連絡ください。
お名前やご住所などに変更がありましたら、埼視協事務所までご連絡ください。

2.埼視協通信の原稿募集をしております
埼視協通信に記事掲載の要望等がございましたら、偶数月の末日までに記事を埼視協通信担当・石川まで、メールまたは 電話でご連絡いただけますようお願い申し上げます。

3.表彰について
今年度も引き続き、会員の中に75歳以上で在籍年数が20年以上になられる方、若しくは、福祉活動等で、本会以外で表彰を受けている方がいらっしゃいましたら、埼視協事務所までご連絡ください。

☆随時受付けをしています・・・☆

●歩行訓練
訓練士が希望者の訓練したい場所へ出向いて歩行指導をします。会員・非会員問わず県内在住の視覚障害者の方が対象となります。お問い合わせください。